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○月×日  ルード

出社したらレノがいた。
俺とツォンさんの席を綺麗に拭いてくれていた。
感動して泣いているうちに、レノがバケツを持って
出ていってしまったのでお礼も言えなかった。
胸がいっぱいになったので、今日は帰る事にした。


   ○月×日  レノ

    
   この間、俺とイリーナが仕事している時にやってたツォンさんと
   ルードの鍋パーティ。あの後俺の蟹が冷蔵庫から消えてたんだぞ、
   と!ツォンさんはルードがくれたっていってたけど、もう誰も信用
   できねぇ。腹いせにスラムのどぶ水で机を拭いてやった。
   いい気味だぞ、と!

○月△日  ルード

出社したらツォンさんがいた。
どうやら泊まり込んでいたらしい。
昨日の無断欠勤をしこたま怒られた。
口べたな俺は何も言えない。
聞いているのも面倒なので立ったまま寝ていたら
レノが出社してきた。
レノは上着を脱ぎ、袖をまくり上げ
俺とツォンさんの机近くをモップで掃除し始めた。
そして室内にファブリーズを撒き散らし、出ていってしまった。

俺は今日も感動して、今度はレノを追いかけた。
追いかけたら凄い早さで逃げられた。
お礼を言おうとしただけなのに・・・・。照れているのか?


   ○月△日  レノ

 
   昨日どぶ水で机を拭いていたら俺の手まで臭くなったんだぞ、と!
   あー、ムカツク!怒りが治まらないから、神羅ビルの地下まで行って
   下水を汲んできてやった。ヒヒヒヒ。でも俺のまわりまで臭くなるから
   一応ファブリーズでもしておくかな、と。
  
   あ、ヤベ!ルードがおいかけてきた。さすがに気付いたか!?
   逃げるが勝ちだぞ、と!!

○月□日  ルード

出社したらイリーナがいた。
いきなり白い目で見られてカチンときた。
朝から機嫌が悪いとはあの日か?生意気な小娘め!
そんな事を思っていたらレノが出社してきた。
背中に鍋をしょっている。ネギも一緒だ。
「なぁ、ツォンさんもいないことだし、みんなで鍋食おうぜ」
レノが愛想良く俺に笑いかけてくれた。
嬉しくて前がみえなかった。そういえばこの間食べた蟹。
あれはかなりイイ蟹だった。ツォンさんは妖精さんがくれたと
言っていたが、また持ってきてくれないだろうか?妖精さん。。


   ○月□日  レノ


   キヒヒヒヒ。良いこと考えたんだぞ、と!
   出社する前にイリーナに電話して今日の作戦を伝えた。
   ルードはあのサングラスのせいで色の識別がよく出来ねぇ。
   それを活かして「腐った食材で鍋パーティ」決行だぞ、と!
   俺とイリーナは食った振りして、
   下においておいたバケツに全部捨てた。
 
   あ、やべ!うっかりネギ食っちまった

○月○日  ルード

今日は仕事を休んだ。というか、昨日の午前中に早退した。
あの鍋パーティからどうも腹の調子がおかしい。
レノは高級食材だから味が違うと言っていたがそれにしても。。
あ、いやいやいやいや。相棒を疑ってはいけない。
レノがそんなことをするはずがないじゃないか。


   ○月○日  レノ


   昨日食った鍋に俺もあたってしまった。。。。
   何でこんなことに。 


      ○月○日 イリーナ

 
      今日はレノ先輩とルード先輩が仕事を休んだ。
      何だかんだいってもレノ先輩、ルード先輩が心配なのね。
      昨日もお腹痛いふりして午後には早退したし。
      きっと、ルード先輩の様子を見に言ったんだわ。
      
      あら、そういえばツォンさんはどうしたのかしら?
もうお昼前なのに・・・・。
      
   
   ○月○日  ツォン


   昨日給湯室に残っていた鍋を食べたら、何故か腹を下した。
   フヒヒヒヒ。トイレから出られないじゃないか。フヒヒヒヒ
   
                               おわり

○月○日 ロッド

あの辛く厳しい戦いの日々から数日経った。
生き抜いた人々の心の傷はまだ癒えないが、俺は毎日果敢に生きている。
美容師さんにアドバイスされた揉み上げも、毎日揉み続けていたら
なんだか最近フワフワになってきたようで、さわり心地がいい。

それはともかく、最近の散弾銃♀の様子はどうだ。
俺を見るたびにソワソワして、目が合うと赤くなってパッと顔をそむける。
ほかにも、チラチラ俺の方を見ながら短銃♀とコソコソ話をしたり………。
これはあれじゃね?フォフォフォフォフォーーーーーー!!!リンラブなんじゃね?
うはwwww俺にも第二の春キタコレwwwwwwwww今なら空も飛べるはずwwwwww


○月○日 散弾銃♀


最近のロッドはおかしいわ。いえ、以前からバカだアホだとは思っていたけど。
あの戦いが終わってからは、それに拍車がかかったというか……。
特筆すべきはあの揉み上げよ。昔から変にボリュームがあると感じてたけど、
最近はやたらとモフモフしてキモイ。マジキモイ。なによあれ、ゴミ?

ロッド本人だけに迷惑がかかるならいいけれど、あれじゃこっちだって困るのよ。
前を横切るだけで視界に入ってうざいって、周りのみんなも閉口してる。
短銃♀とも話していたんだけど、彼女も同じように思っているみたい。
このままじゃ、タークス全体の士気にかかわるわ。
ここは、同僚の私がなんとかしないと………。

ああまたロッドがこっちを見てる。キモイから揉み上げを触るのをやめて頂戴。

○月∀日 ロッド

とりあえず今日の昼休みは、給料も入ったしまた美容院に行こう。
やっぱり揉み上げは、プロの手で揉んでもらわないとな!!!
更にレベルうpした俺の姿に、散弾銃♀もノックダウン決定だぜ!!
ほらまたアイツが俺を見てる。なんか哀れむような潤んだ目つきで俺を見てる。
俺を見てるだけで発情ですか?うはwwwなんてなwwww

「ちょっと出かけてくる」
休み時間に俺がそう言ったら、散弾銃♀がハッとこっちを見た。
何?俺と1秒でも離れていたくねーの?うはwwwマジカワイスギwwwwwww
でもまーそんなうまい話あるわけねーよな、とかちょっと冷静な俺が考えていたら、
「私も一緒に行くわ」
だってよ!!!?マジデスカ!!!!!うは何この神展開くぁwせdrftgyふじこlp;@


○月∀日 散弾銃♀


チャンスだわ!!前から一度、ハッキリ注意しなくちゃいけないと思っていたのよ。
でも、みんなの前で言うのはさすがに気が咎めるし、わざわざ電話もしたくない。
休日に呼び出すなんてもってのほかだわ。

そんな中、休み時間に突然、ロッドが出かけると言い出した。
このチャンスを逃すわけにはいかない。意を決して私は同行を申し出た。
ロッドは興奮しながら揉み上げをゴシゴシこすってる。私は見ないフリでごまかした。

で、どこに行くのよ?……ハァ、美容院?休み時間に?
本当に意味不明だわ、と罵ろうとして、私は思いなおした。
これもチャンスかもしれないわ。彼をまともな髪型に戻す、最大のチャンス。
この私のセンスを持って、きちんと美容師に指示を出してみせる。
散弾銃♀、神羅に入社してから最大のミッションが、始まった。

○月∀日 ロッド

俺ははやる気持ちを抑えきれず、テンション上がりまくりだった。そうだ、この機会に
楽しいお喋りをしつつ、散弾銃♀の好みとか趣味とか、そーゆーのをリサーチして……。
俺は揉み上げをいじりながら考える。ああどうしよう。散弾銃♀が退屈してる。早く話を切り出さないと。
焦った俺は、とりあえず何か話さないとと思い、口火を切った。
「下着の色を教えてください!!!」
平手打ちが飛んできた。

そんなこんなで目的地。
美容院の自動ドアが開き、店内に入ろうとした俺は緊張のあまりら足を滑らせた。
右足は止まったままで左足が前に滑ってゆき、両脚が縦に180度大開脚。
「べ!!!」
あまりの衝撃に変な声が出て、店内の視線が俺たちに集中する。
「お馬鹿!!!何やってんのよ!!!!」
散弾銃♀が愛しい(たぶん)俺の窮地を救おうと、俺の肩を支えようとした。
しかしお互いに慌てていたため手が滑り、彼女の手は俺の揉み上げをむんずと掴む。
そのまま力任せに引っ張られ、ぶちぶちと音を立てて千切れる俺の揉み上げ。
あまりの痛さに「アァオ!!」と絶叫する俺。店内は俺らの姿に釘付けだ。なかなか悪くない……。

脚の付け根が痛かったので、そのままの体勢で俺は美容師に向かって
「揉み上げ、いつもので」
とクールに頼む。ヤバイ。決まった。
「それと、こちらの女性に紅茶を……」
上半身だけ向けて、隣で佇んでいるであろう散弾銃♀を見た。
そこには誰もいなかった。


○月∀日 散弾銃♀


あいつを真っ当な道に戻そうとした私が馬鹿だったわ。
もう帰ってくるな。はげろ

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