9ページ目


ф月φ日 ルーファウス

北の大空洞についた。
宝条と一緒にきた短銃♀が「1月1日から順番にいれてようやく…」とか何とか言っていたが気にしないことにしよう。

それよりも来る途中、宝条にセフィロスとツォンの融合について話したところ、こう言った。

「……タークスの主任。新しいのを考えておいたほうがいいぞ。」

一体どういうことなのか尋ねた。
こちらには短銃♀の持ってきたアンゲロイドがあるのだ。まけるはずがない…。宝条は続ける。

「アンゲロイドを使えばアンゲロは倒せる。それは保障しよう。
 しかしだ、いまあの男はJENOVAやセフィロスと同化しているのだぞ?
 今あの男が自分を保っていられるのは、アンゲロの加護があるからこそ。
 アンゲロが消えてしまえば、あの男はセフィロスとJENOVAにやられて……」

全員が黙り込む。たしかにアンゲロイドを使えばアンゲロを倒せるし、
残ったセフィロスはクラウド達に任せればいい…だがツォンを失うのは…。

「ツォンさんは殺させない…」

イリーナが沈黙を破る。

「一度、誰かがアンゲロ・セーファ・セフィツォンさんと同化して、ツォンさんだけを連れてだして離脱。そうすれば…ツォンさんは…」

「助かるかも知れないな。しかし誰が行くというのだ?下手をすればそいつもアンゲロにやられるぞ?」と宝条。

誰が行くのか。その場の全員が頭をひねったが、私だけは答えを知っていた。
私は…アンゲロに絶対に染まらない人間を知っている。唯一無二アンゲロ抗体を待った人間を知っている。

私だ

「私が行こう。」

そう私が言うと全員が目を大きく見開いてこっちをみた。

「いや…ここはラヴ・エンジェルが…」と何かを言いかけたイリーナをレノが呆れた顔で静止する。

「私は体にアンゲロ抗体を持っている。私が適任だ。」

何かを言いたそうなタークスの面々を無視して、私は話し続ける。

「だが、私一人であの怪物に近づくことは難しい。
 レノ、イリーナ、ルード(着衣)以外はアンゲロ・セーフ(ryをかく乱して足止め。
 そして残った3人は私の護衛だ。……いいな?」

ポカーンとして私の話を聞いていた一同に念を押して私はレノ、イリーナ、ルード(着衣)の方をむいた。

「我々はインペリアルクロスという陣形で戦う。
 防御力の高いルードが後衛、 両脇をイリーナとツォン……は居ないのでクラウドが固める。
 レノ、お前は私の前に立つ。 お前のポジションが一番危険だ。 覚悟して戦え。」

レノはしばらく間をおいたあと、ニヤッとして答えた。

「…はいよ、と。」

大空洞の奥へとすすむと、クラウドがいた。善戦をしていたとは言いがたいが、まだ深手はおっていない。
事情を説明して、インペリアルクロスの穴を埋めてもらった。

前方にはなんか靴下がいっぱいな奴がいた。アイツが…融合したツォンだな。


――――――――――――――――――最後の戦いが始まる。

ф月φ日 短銃♀

私は社長の援護のために愛用のクイックシルバーを構える。
初弾を装填し、ツォンさんの何だかキモイ靴下の部分に狙いを定め、銃爪を引きかけたその瞬間・・・
銃口の延長線上に、突然そいつが現れたのだった。

「ノエル・・・?」
まさか、そんなことが・・・。ファルエルが死に、アンゲロが絶えた以上、
布教が主任務のクマエルと違い、彼女の蘇る要素など無いはずだ。
まさか、アンゲロの復活が原因?
そう考えていた間に、彼女は透き通った、きれいな声でブツブツと小声で呟く。
「私は・・・XXXX・・・?・・・ノエル・・・?まあいいか・・・アンゲロリーナ様の邪魔は・・・させない」
彼女は大きな刄をこちらに向ける。


私は確信する。
そうか、これがアンゲロの力か!
ノエルが最も恐れていたことか!
ライフストリームをアンゲロ色に染め上げ、その魂をこの星をアンゲロの星にす
る手駒と変える。
ちょうど目の前のノエル・・・プレジデント神羅の様に。

社長やレノさん達も新手の増援に気付いたのか、太刀筋が微妙になる。
「社長!この新手は私たちで片付けます!社長はツォンさんを!」
「わかった!」
私は再び銃口をノエルに向ける。
「で、どうすんだ?」
ロッドが私に問う。前衛3人がかなりの強者であろうと、アンゲロが相手な以上
インペリアルクロスをあまり崩したままにしたくない。 短時間で1対多数の勝負に持ち込むなら、この布陣しかない!
「ロッド!散弾銃!ジェットストリームアタックをかける!短銃♂と格闘♀は横から私たちの援護を!」

「ジェ・・・なにそれ」格闘♀が言う。確かに彼女はジェットストリームアタック
などしらなさそうだ。
「とりあえず援護すればいいんだろ。」
短銃♂はスッとノエルに銃口を向けた。
「あなた達は知ってますよね、ジェットストリームアタック。」
「当たり前だ」ロッドが私の前に立つ。
「残業中に誰かが横で、勝手にガ●ダム見てたからね」 散弾銃が私の前、ロッドの後ろにつく。
「よし・・・いきますよ!ジェットストリームアタァック!」

@月p日 レノ

「行くぞ、と!」
ロッドを握りなおしたレノが駆け出す。
それを援護するように続く、イリーナとクラウド。

社長があの融合体と同化するまでの足止め。
だけどダメージが大きすぎれば、中にいるツォンさんにも致命傷となる。
「イリーナ、クラウド。頼んだぞ、と!」
狙うは脳しんとう。だけど下手に手を抜けばやられるのは俺たちだ。

・・・・うまく行くかな、と。

ロッドを振りかざし頭を狙う。
奴はそれを読んでターゲットを俺に絞る。
「かかったな、と」
ニヤリと笑い、俺は奴の頭を踏んで背中にまわった。

「ツォンさん!ごめんなさい!!」
「悪いなツォン。俺には守るべき物(プラチナ会員証)があるんだ!」
動き出していたイリーナとクラウドは一瞬の隙を狙い奴の肩に傷を負わる。
「ルード!今だぞ、と!!」
「わかっている、相棒!」
首にあてたロッドから微量の電流を流し、奴の動きを完全にとめる。
あとはルードの拳が頭に入れば俺たちの任務は完了だぞ、と。

@月p日 ルーファウス

「よくやった」
アンゲロ融合体が意識をなくしている間に早く同化しなければ。
奴が再び動き出せば勝ち目はなくなる。
私は足早に彼に近づき意識を集中させた。

・・・・ツォン、これで終わりにしよう。

意識が徐々に薄れ、体が引き寄せられていくのがわかった。

暗い暗い闇が延々と続き、その先に光りが見える。
泳ぐようにそこへ辿り着くと、それは。
「ライフストリーム・・・・」
そうか。人の体内にも同じ流れがあるんだったな。

私はツォンを探してその光の中を捜しまわった。
・・・・ツォン、どこにいる? ツォン!
お前は優秀なタークスの主任だ。
ヴェルドの後を継いで立派にやってきた。
みんながお前を待っている!どこだ、ツォン!

その時、
『ツォン、アンゲロリーナを知っているか?』
『アンゲロ・・・・リーナ・・ですか? いえ、存じ上げておりませんが』
『・・・・私は昔、息子の体をサンプルとしてアンゲロの実験をした
 ことがあってな。それをとても後悔しているんだ。もし息子や
 会社に何かあったら頼むぞ、ツォン』
『はぁ・・・・』
『今はわからなくても構わんよ』
あれは、オヤジとツォン。まだ二人とも若いな。
・・・・これは、過去なのか?

「うわっ、また光が!!」
目の前に映っていた映像がぶれていきなり視界が白くなる。
その眩しさに一瞬ひるみ、瞼を閉じる。

『・・・・・・・・。社長?』
「え?」

・・・・今、声が聞こえた。ツォンの声だ!

急いで当たりを見回すが、そこには光以外何もない。
「ツォン、どこだ!」
『・・・・社長。ルーファウス社長。私ハアナタヲ守レマシタカ?
 プレジデントの望ミ通リ、私ハ会社ヲ守レマシタカ?』
「ツォン、どこなんだ!?どこにいる!!」
光に声が反響して、居場所が特定できない。
くそっ!もう少しで手が届きそうなのに・・・・!
『私ハココニイマス。・・・・社長。レノ、ルード、イリーナ・・・・』 
「うわっっっ!!」
頭の中に流れ込んでくる膨大な情報量。
『面倒な任務だな、と』「・・・・・・・了解した』『はい、頑張ります!』
タークスの面々が次々に流れ込んではきえてゆく。
駄目だ!脳がついていかない・・・・!


そして
「あっ、先輩!社長がでてきます!!ツォンさんも一緒です!!」
「うまくいったみたいだな、と」
目が覚めたそこには見覚えのある顔たち。
そうか・・・・、かえってきたのか。

10ページ目へ