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$月f日 格闘♂

う〜〜〜〜バナナバナナ
今 バナナを求めて全力疾走している俺は
タークスに所属するごく一般的なゴリパン(元)刑事

強いて違うところをあげるとすれば
力を溜めると身体が赤くなるってとこかナ――
名前は格闘♂

そんなわけで6*階にある
宇宙開発部門のフロアにやって来たのだ
ふと見るとひとつの扉から甘い匂いが漂っていた
ウホッ!いいバナナ…

そう思っていると突然その扉は俺の見ている目の前で
ゆっくりとひらきはじめたのだ…!

プシュー…

パルマー「うひょひょ?」


そんなわけで、パルマー部長とすっかり意気投合した俺は
ラードとはちみつたっぷりのお茶を振舞われながらバナナ食ってます。
地響きがしているような気がするが、たぶん武者震いだと思う。

$月~日 スカーレット

「ちょっと!いったいどうしたっていうのよ!!」
私は、ノイズ交じりの砂嵐が映し出されるだけのモニターをがん、と叩いた。
「もしかして、ケット・シーに何かあったんやろか………」
後ろから同じ画面を覗き込んでいるリーブが、心配そうに口にする。
つい先程まで、地下大聖堂で行われていた攻防が映っていた画面──
──危険な部位は自動的にモザイク処理がされている────は、
レノが口からエクトプラズムをハミ出させた辺りで、通信が途切れた。

「キャハハハ!全く、使えない猫ね!!」
悪態をつきながらボタンやレバーを色々といじってみるが、一向に繋がる気配は無い。
ちょっと、ねえ もしかして、あの猫に本当に何か────………
嫌な想像が膨らみ始めた辺りで、いきなり部屋の扉が音を立てて開いた。
「ケット・シー!!」
弾丸のように転がり込んでくる猫を、リーブが抱きとめる。
何よ、無事だったんじゃない………──あ、いえ、ホッとなんてしてないわよ!!?

肝心のケット・シーは私たちに何かを伝えたいみたいだけれど、
混乱と興奮でオロオロ涙ぐみながらフニャフニャ言っているだけで、全く要領を得ない。
軽く叱咤してやると、びくっとして、耳を後ろに寝かせたまま、何とか語りだした。

「シスター・レイを………?」
社長からの伝令を聞いた私とリーブは、思わず顔を見合わせる。
神羅の魔晄技術の髄を極めた最強の砲台。私の愛しいシスター・レイ。
事態は、そこまで来ているというの?

───キャハハハハ!!おもしろいじゃない!!!
やってやるわよ。兵器開発部門統括の真髄、見せてあげるわ!!!

シスター・レイが設置されているのは、神羅カンパニージュノン支社。
流れるような手つきでそこと通信を繋ぐと、私はときの声をあげる。
「各部全体に伝令!シスター・レイの発射準備に取り掛かりなさい!!」

予想通りの戸惑った反応が返ってくるが、そんなのに構っちゃいられないわ。
1秒でも早くまともに機能させるために、的確に指示を出してゆく。
使えない部下たちも、なんとか設置準備を進めてくれているようね。

「リーブ。あんたは魔晄炉出力の調整。やり方はわかるわね?」
私は素早くキーボードを叩きながら、リーブに声をかける。
「あ、ああ」
「頼んだわよ。ホントは調整なんてしないで、ガーッと全力でやっちゃいたいんだけど!」
キャハハハハ、と高笑いを響かせて、私は再びモニターへと向き直った。
リーブがそれに続き、互いに互いの任務と対峙する。

並んで画面を睨む私たちの足元を、ケット・シーが困ったようにウロウロしていた。
「ちょっとアンタ、邪魔よ!!」
キッときつい視線を向けると、ケット・シーはおどおどと下を向く。
「あ、あの……ボクにも何か、お手伝いできることあらへんかなぁって……」
「ないわよ」

冷たく言い放ってやると、ケット・シーは(´・ω・`)ショボーンとうなだれた。
隣に視線を向けると、リーブまでなぜか同じ顔で(´・ω・`)ショボーンとしている。
なによ。似てるわね、こいつら。

ふん、と冷たく息を吐くと、私は再び画面に目を向けた。
モニターを睨む視界の端に、床を見つめたまま、うつむいている猫の姿が入る。
しっぽを垂らして小さくなって、泣きそうな顔で黙って下を向いている。
もしかして、邪魔にならないようにでもしてるつもりじゃないでしょうね。
………。

ああ、もうっ!!集中できないったらありゃしないわっ!!!
バァン、とキーボードを叩き付けると、リーブとケット・シーが驚いて私を見た。
「そこの猫!!………あるわよ、アンタの仕事!!!」
苛ついたように私が言うと、ケット・シーの顔がパァッと音を立てるように輝いた。
嬉しそうに私の足元に駆け寄ってきて、期待に満ちた視線で私を見上げる。
クッ………かわい………くなんてないわよ!!キャハハハ!!

そんなケット・シーから顔を逸らしながら、私は小声で呟いた。
「………………わ、私の…………………膝の上に…………………いなさい」
途端に、リーブとケット・シーがきょとんとした表情を向けてくる。
「か、勘違いするんじゃないわよ!キャハハハハハッ!!!
 わ、私、猫触ってると、HP回復する特異体質なのを思い出したのよ!!今!!」

続けて言う私に、隣のリーブが苦笑した。だ、だから勘違いしないでって……!!
リーブを睨みつけようとした私の膝の上に、ケット・シーがニャーンと一声鳴いてから
嬉しそうに飛び乗ってきた。
ゴロゴロと喉を鳴らして胸に顔をすりよせてから、膝でころんと丸くなる。
………。
───フン。か、勘違いしないでちょうだい。私は冷酷で残忍な女よ。
本来は猫なんて、寄ってくるそばからちぎっては投げ、ちぎっては投げ………


なんてできるわけないじゃないのよおおおおおおおおおお!!!
もしかしてリーブ、私のパソコンフォルダに猫画像がたくさん保存されてるのを知ってて
このマヌケな顔した白黒ロボ猫でからかってるんじゃないでしょうねええええ!!!!!
キャハハハ、その手には乗らないわよ!!!こんな、こんな猫なんて─────

……………………………………………カワイイじゃないのよ………。_| ̄|○・.。*

そんなこんなで、猫の喉元を無意識にナデナデナデナデしたりしつつ
シスター・レイの発射準備はととのいました。まる。
なんか疲れたわ……。社長、いつでも準備はいいわよ……。

$月~日 宝条

この星中のアンゲロ細胞を破壊し始めて一時間。
作業は順調なようだったが、タークスの小娘が大声で私を呼んだ。

「博士!一箇所だけアンゲロワクチンが全く効いていない所が…」

そんな事があるわけが無い…私の研究は完璧なはずだ!
一体そこはどこなのかと、モニターを見ると。

「き、北の大空洞…」

この場所には随分縁があるらしい。以前の忌まわしい記憶が甦った。
しかし、何故大空洞にはワクチンがきかないのか…? 

そうか…

「私の息子が苦戦しているらしいな」

そういう私に小娘が「エッこの人子持ち!?」とでもいいたそうな目を向けた。
……失礼な奴だ。こう見えても私はモテるのだ!しかも若いピチピチな美女ばかりに!!!

いや、それはどうでもいいのだ。とにかく息子に力を貸してやらねば…
そこに素晴らしい情報が。

シスターレイ発射準備完了

ククククククァックァックァックァッ!
待っていろ…わが息子…セフィロスよ。

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