14ページ目


Ж月ω日 短銃(♀)

昨日5時、20年前の神羅製作所社員名簿を25回読み返してやっとXXXXという人物の正体がわかった。

驚愕……

XXXXとは、タークスではなく重役で、レモン色の髪の、ルーファウス社長にそっくりな外見の男・・・。

つまり XXXXは プレジデント神羅の 本名 だった。

いっつもプレジデントプレジデントと呼んでいたからわからなかったが、XXXXという名前はしっかり入社試験の上のほうに
出ていたのをそのとき思い出した。

その後、気になってIモードで厳重管理下におかれているサイト「ツォンのおへや」に立ち寄ったらそこには2件の書き込みが。
「アンゲロリーナ!?まさか…本当にいたの!?」
それは、スペルは違う物の間違いなくアンゲロリーナと読める人物。
てっきり私はXXXXことプレジデントの妄想の産物かと思ってたけど。
しかもそこに書き込まれた文章は、ほぼツォンさんを増長させるような物。
こんなのを見たツォンさんは危険だ。
あの眼鏡(フヒト)など問題にならないくらい危険だ。
眼鏡をジムとしたらこれを読んだツォンさんはビグザムだ。

もう一件は、レッドマーダーと名乗る人間の荒らし書き込み。
正体がわから無いとは言え、アンゲロリーナを名乗る物に荒らしをかけるなんてすごい度胸ね。
Angello Crisisの主力として戦って欲しいくらい。

一応私も書き込むことにした。

Ж月ω日 **:**
アハハハハ
ゆや
何ですかぁこのサイト?
宗教勧誘?それとも池沼の集まりですかぁwwwwwwww?
本当に馬鹿ばっかりですねぇ。
特にアンゲロリーナとかなんですか?アンタの顔なんてどうせ


こんなんだろうね。
アーハハッハハッハハハハハハッハハハッハwwwwwwwww


眼鏡を意識して書いたんだけど。
こんな感じで駆逐作業はいいよね。

Ж月ω日 ルーファウス

礼節をわきまえ、あまり感情を表には出さず、常に沈着冷静。
それが私の知るツォンだ。
だが、監禁中のこの男にそんな面影は微塵も見られない。
監視モニターが映し出す映像を見ながら私は頭を抱え込んだ。
泳がせるためにわざと携帯電話を持たせていたが…。
…正視するに、耐えない。
信仰は自由だ。信仰対象によって祈り方も様々だろう。
それをとやかく言うつもりなど毛頭もないが…、だが…これは…。
…狂気に陥った人間の姿をまざまざと見せつけられた思いだ。
神羅全体の人間が、いや、果ては世界中の人間が、
『アンゲロリーナ』を信仰するようになってしまったら───
早急に片を付けねばなるまい。

例によってツォンに尋問を行ったが、解決の糸口は見当たらなかった。
…監禁部屋の隅に干されたヨレヨレのスーツを見て、
新たなスーツを支給してやることにした。
実はこの数日後に、宝条に作らせた強力な自白剤を使用する手筈になっている。
そのことに対する、せめてもの情けだ。

さて、新たな有力情報が二件入った。

…まずは、朗報から記すとしよう。
すっかりやつれた顔を嬉々とさせたリーブからのものだ。
『レッドマーダー』。
どうやら、この者が我々の切り札となりそうだ。
民間人に頼るのはどうかとも思うが、この際素人だろうが何だろうが構わない。
アクセス元から身元を洗い出し、必ず捜し出してみせる。
そして…もう一件については……。
…フッ。私としたことが、メモを取る字が震えてしまった。
冷静を取り繕ってみても、やはり動揺は隠しきれないようだ。

一連の発端である、『アンゲロ』をツォンに説いたという人物、XXXXの正体。
それが…神羅カンパニー前社長、つまり、私の父親であるということだ。

XXXX。そうだ。この名を思い出せないなんてどうかしていた。
まさか身内だとは思いもしなかったせいか…。
私は自身に対する憤りをどうにか抑え、
急遽帰宅すると親父が生前に使用していた書斎へ向かった。
ここへは決して入るなと言いつけられ、気にもならないので放置したままでいたのだ。
それが幸いしたかどうか───
扉を開け、目にした光景にしばし開いた口が塞がらなかった。
可愛らしいクマのプリント柄の壁紙に、絨毯、カーテン、ソファーカバー。
背に翼を生やし、ラッパを手にしたクマの装飾品の数々。そして巨大な銅像。
…親父に、こんな趣味があったとは…。
そして、デスクの上に置かれた奇妙なゴム製の人形が目に止まった。
これは…まさしく───

……。
………。
───クッ…ククッ…。

親父…そうか、奴だったのか。
手ぬるいことをやっているから無様に殺された惨めな男。
その男の妄想の結果が『アンゲロリーナ』を生み出し、ツォンに影響を与えたと言うのか。
…実の息子を危険人物と見なし、軟禁までしたところまでは褒めてやろう。
だが、私を生かしておいたことが最大のミスだったな。

『アンゲロリーナ』を根絶やしにしてみせる。

⊂月m日 短銃(♀)

今日、会社のサーバーからプレジデント神羅の個人フォルダにアクセスした。
何度かパスを打ち込んでみると「Kumael」ですんなりと入れた。
「MidgalAngello.doc」意味ありげなファイルを開いてみる。

驚愕

そこには神羅ビル下のデッドスペースを利用して、巨大なアンゲロ聖堂を作ろうというアイデアだった。
こんな物が完成していたらヤバイ
セフィロスがジムだとしたら、これが完成したときのツォンさんはサイコガンダムMk.Uだ。

入り方もわかったので、とりあえず今度調べに行こう

⊂月m日 二丁拳銃

フッ。コレルプリズンに来てから何日経ったのだろうか。
先日、散弾銃♀……様が訪ねてきた以外、誰も来ない。
連絡もない。電話もメールもない。また受信してみた。……ゼロだ。

………フッ。

まったく、あいつらは素直じゃないな。
「早く帰ってきてね」の一言も言えないなんて、本当に子供だな。
仕方あるまい。こうなったらこちらから連絡を取ってやるのも、大人としての嗜みだ。
素直になれないあいつらのために、仕方なく。仕方なく俺は携帯電話を手にとった。

メールなど打つのは久々だ………内容は吟味しなければならん。
遠回しすぎても伝わらないし、かといって「迎えに来て」なんて死んでも言えるものか。
俺はしばらく考えたあと、おもむろに生え際のセロテープを押さえつつメールに臨んだ。
わかりやすく、かつ卑屈にならないように───………
俺の手は、小さなボタンを連打して、自然に溢れる言葉を綴っていた。

To:散弾銃♀ From:二丁拳銃
Title:なんかのほくろ

WOW WOW〜〜 WOW WOW WO〜〜〜♪
♪アンゲロってなぁ〜に? アンゲロって何だYO?(なんかのほくろとかじゃない?)
こないだ最悪だったよー 救出要請で 女名前だから行ったら ロッドばっかり捕まってんだよ
俺ロッド助けるの嫌いなんだYO〜(それなんかのほくろだったんじゃない?)
WOW WOW YO オレ去年は入院してたんだYO まあおととしも入院してたけど 3年くらい
魔晄炉に落ちてムッシュ ムッシュ アンゲロ!
(お前のセロテープの裏に貼りついてんの コレルプリズンの砂なんじゃない!?)
Ah〜〜〜〜♪  DA BA DA DA BA DA DA DO-DA DA!
Kiss me baby kiss me baby
キキキ キスミーキスミーベイベー
ハアハア ほらキスミーよ はい早く ホラ
寂しいんだよオレ すごい寂しいから ね?
ホラ 早く大丈夫 ね いいから フッ
ちょっとでいいから ホント ね お願いします Oh Yeah
お前のいないコレルプリズンは なんだか前より広く感じて はだかの前髪は
まあ はだかっつっても前髪の話だから なんつーか こう 生え際丸出し状態みたいな意味なんだけど
丸出しのソレが凍えそうだよ
Oh〜〜〜Oh〜〜〜♪
ともだち ずっと ともだち ずっと ともだち いない
彼女もいない ろくなもん食ってない
スラム街のガードハウンドの方がオレよりメシ食ってる  Oh Yeah!
青春て いつだったのか 全然わからないぜ わからない わからないのさ〜 コルネオ先生ぇ〜!!
WOW WOW WO〜 WO WO WO WOW WOW
ルールルルール〜〜
アンハハンハーーイエー…
---END---

フッ。完璧だ。あとは返事が来るのを待つだけ。
素直になれないあいつらは、きっと俺の帰りを待っているに違いない。

$月贐日

タークスにキマタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!
どきどきするけど、がんばって超一流タークス(なんだそれ)になるもんね!
訓練のときに来てた黒髪のオリエンタルなカンジの人が、上司なのかもしんない!
エコちゃんマジ惚れしちゃってたけど、もしそぅだったらどうしよう。。。
親友やめられちゃうかも?
ヘンな赤い髪もいたけど、ダサすぎておわってる。あれも上司だったら、超死ぬ。
あーーーー…緊張するなあ。
おやすみなさい、今までの私。
明日からは、タークス!タークス!

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

という日記を娘の部屋から見つけた。無邪気なもんね。
あの娘は元気でやってるのかしら。
たまには電話くらいしなさいね 母より

15ページ目へ