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10月1日 晴れ 6:00くらい
病院にいった。
先月の戦いで負傷した頭部がまだ痛んでいたからだ
戦っている最中に上から何か落ちてきたが、それが何だったかは覚えちゃいない
医者が言ってた
「頭蓋骨が砕け、脳に刺さって一部化膿している」
と。
理解できない内容だったが、まあたいした事無いだろう
今日は昼に本社へ直行だ
![](../img/rude.gif)
○月○日 ツォン
皆!聞いてくれ!携帯電話が欠かせない我がタークスのために
兵器開発部門から新しい携帯電話の機能が付加されたぞ!
[タッチセンサー機能]
下の枠の中を指で触ってみて下さい。
すると…
な・な・なんと!!?
画面に指紋がついた!!これは、メチャ便利!!
………という冗談を言ったら、急にあたりの空気が冷え切った。
ルードは私を見ないようにサングラスの位置を直しているし、
イリーナはとてもかわいそうな人を見るような目で私を見ている。
レノにいたっては、今にも殴りかかりそうな気持ちを必死で抑えている様子。
アンゲロリーナ様、心優しい部下を持って、今日も私は幸せです。
○月●日 イリーナ
年末に向けて、タークスのオフィスの書類を整理した。
ボディガードから暗殺までこなすタークスだから、書類にしても
文字通り山のように溢れかえってしまう。無理ないと思うけど。
そんな中、ひとつのマニュアル書を見つけた。
【ソルジャーのトレンディな勧誘マニュアル】
あやしいタイトルに、逆に内容に興味が湧き、読んでみた。
内容はこうだ。
1.まず興奮する
2.獲物にそっと近付く(このときあらかじめ親指をたてておくと実にスムーズ)
3.(ほがらかに)『ウォンチュウ!!!』
斜め30度の角度で下から相手の肩にぶつかるつもりで(むしろぶつかって)
言葉の意味は気にせずやってみましょう。
他にもこんな勧誘の仕方があった。
♪バンバンババンバ〜今日も会社だ〜
明日も会社〜 明後日も会社〜
ラララそしてーーー
君はソルジャー ♪
確かにトレンディだったので今度試してみようと思う。
□月〓日 イリーナ
私は自分のデスクでひとり、本棚から持ってきた『PAPUWA』を読みながら、お昼ご飯を食べていた。
いつもは社食だけど、今日みたいな天気のいい日はここで食べている。
そこに、いつもの様にレノ先輩がやってきた。
私が漫画を読んでるのを馬鹿にしてきた。
先輩だって昨日夢中になって読んでたくせ!小一時間問い詰めたかったけれど、貴重なお弁当タイムなので気にしない。
開けた窓から吹き込んだ風に、レノ先輩が身震いをしてた。
「先輩、寒いならちゃんと制服着たらどうですか? もう夏は終わったんですし、クールヴィズも関係無いですよ」
「馬鹿、寒くなんかねぇ。大体、俺は社長の方針じゃなくて、俺のポリシーにのっとってこの格好してるんだぞ、と」
そう言った直後に、レノ先輩は「ぶえっくょい!!!」と盛大なくしゃみをしていた。
私が白けた顔をしていると、先輩は強がって、シャツを全開にしてしまった。
隣でレノ先輩のはだけた胸を見て、ルード先輩がフゥフゥセイセイ興奮していたけど気にしない。
ポリシーかぁ。
仕事に来る時はきちんと着るのが当然だと思ってたけど、先輩みたいに好きな格好をするのも羨ましいな、と思う
ネクタイは締めないけど、仕事はちゃんと締めるとこ締めるし!
祭りで踊り狂っていたツォンさんを見習って、今度アンゲロ祭りが開かれたら、私も靴と靴下だけになって、ツォンさんの横にちょこんと座ってみようかなぁ。
そうすればツォンさんも少しは私の事、気にかけてくれるかなぁ…………。
…………。
………くだらない。祭りでする事といったら、アンゲロリーナ様に祈りを捧げるのみじゃないか!アンゲロ!! アンゲロッ!!!
私はそう叫ぶと、胸の前で金のクマエルロザリオをアンゲロリーナ様のへと掲げた。これでオーケー。
落ち着きを取り戻し、漫画の読み始めると、カタツムリが子供をバンバン出産していた。食べてたエスカルゴ吹いた。
○月○日 ツォン
困った。ムダ毛の処理以外は何でもこなすタークス主任の私だが、苦手なものがひとつだけある。
・・・外来語だ。私のエキゾチックな容姿を見れば分かるとおり、私は外来語が本当に苦手なのだ。
だが、私のパソコンに先程送られてきたメールは、明らかに───外来語。
アニメの最終回前のような大ピンチではあるが、タークス主任として無視するわけにはいくまい。
異国の方が困っているかもしれないのだ。辞書を引き引き頑張っていたら、レノが声をかけてきた。
「ツォンさん、何やってるんですか、と」
隠しても仕方が無い。私は正直に、届いたメールが読めないのだと理由を告げた。
「・・・・・・あー・・・・・・そのメール、ちょっと見せてもらっていいすか、と」
何かを思いついたのか、数秒間考えたあと、レノは言った。私はパソコンの画面をレノに見せた。
From: MAILER-DAEMON
Subject: failure notice
Hi. This is the qmail-send program at ○○○○.
I'm afraid I wasn't able to deliver your message to the following addresses.
This is a permanent error; I've given up. Sorry it didn't work out.<hogehoge@○○○○>:
Sorry, no mailbox here by that name. vpopmail (#5.1.1)
やはり見れば見るほど不可解だ。メーラーダエモン氏という知り合いなど私にいただろうか?
「ダエモン氏とは誰なんだろうな。まったく見当もつかないよ」
私は辞書を片手に、苦笑した。レノはなんとも哀れみを含んだ瞳で私を見ている。なぜだろう?
「・・・・・あの・・・・・俺が代わりにやっときますよ、と」
!!!私はなんと素晴らしい部下を持ったのだろうか。思わず涙を流してしまった。
レノは何故か私から目をそらしているが、きっと気恥ずかしいのだろう。この照れ屋さんめ。
今夜はアンゲロリーナ様への感謝をこめて、お祈りの時間を2時間延長する事に決めた。
明日からも大切な部下達のために、仕事がんばろう。
参考
http://www.st.ryukoku.ac.jp/FAQ/MAILER-DAEMON.html
メーラーダエモンさんのガイドライン
○月μ日 宝条
今日久しぶりにレストランに行ってきた。
ウェーターが料理を持ってきた。
「鈴木でございます」とウェーターが言った。
横文字の名前が多い現代社会で、感心だと思いつつ
「宝条でございます」と言った。
ウェーターは、背中が小刻みに震えながら、
「本日のお勧めの魚のスズキでございます」
と説明していた。
サンプルにしてやろうと思った。
○月μ日 ツォン
今日の部下達の会話
イリ「ねえレノ先輩、私のことちゃんと認めてくれてるんですか?」
レノ「あ、ああ。もちろんだぞ、と・・・・・・」
イリ「ホントに?」
レノ「ホントに」
イリ「ホントに?」
レノ「ホントに」
2人「ライオンだ〜♪」
・・・・・・うむ、本日も平和だ。
○月μ日 リーブ
最近、ケットシーの様子がおかしい・・・。
ツォン、レノ、イリーナのそばに近づくとなぜか操作不能となりガタガタ震えだす。
おまけに67階を通り抜けようとしたらいきなり「アン・・ゲロ・・?」とつぶやきだした。
私以外にも誰かインスパイア能力を持つ者が社内にいるのだろうか・・・。
○月μ日 イリーナ
資料室で書類の整理をしていたら、昔のタークスの先輩らしき人の日記があった。
一部抜粋してみるコトにする。
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△月@日
新聞にフリーマーケットのチラシが入っていたので行こうと思ったけど
「ご近所、ご家族、お友達お誘い合わせの上お越し下さい」
と書かれてあったので行けなかったよ
★月§日
いま電話があって私がバイクで事故を起こして警察に捕まったらしい。
しかも相手が妊婦で流産までさせてしまったそうだ。
示談にするから金振り込めっていうし電話の向こうで私は泣いてるし、
いったい私はどうしたらいいんだ。
月ξ日
ルクレツィアにカマドウマに似てるって言われた
でも、カマドウマって知らないんだよね
サッカー選手かな?^^
ф月〇日
今日UFO焼きそばたべようと思ったら、お湯を入れる前にソースをかけてしまった。
クソーと思って市販で売ってるソースをかけたら、ポン酢だった。
辛くて酸っぱくて食べられなかった。
仕方がないから二個目を開けたら、お湯を入れる前にソースを入れてしまった。
神羅屋敷はどの辺なら人に見つかることがないんでしょうね。
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名前は見つからなかったが、隣の部屋に閉じ込められていた人を思い出した日だった。
○月剴 イリーナ
今日、レノ先輩と食事をご一緒した。ターゲットの尾行のためだ。
店員さんにコップを渡され、お水はセルフサービスになりますといわれた。
この時ターゲットを見失わないよう緊張していたのかどうかは思い出せないが、
コップに水を並々入れて持っていってしまった。震度1で零れますよ、ぐらい。
零れないようにそーっと机の上に置いたらレノ先輩に
「(笑いながら)お前! これ入れ過ぎだぞ、と!」
騒ぐな! このエロ野郎! などと罵りたかったがそうは行かず、とりあえず
愛想笑いと苦笑いが入り混じった笑いをクールにしようと思った。
「はは…、いや、間違っていっぱい入れちゃいました。すみません」
こんな風に落ち着いて言いたかったのだが、緊張やら恥ずかしいやらでもう舌が回らず
「フヒヒヒヒ! すいません!」
もろ変態みたいに言ってしまった。相当恥ずかしかったよ。その後イン&ヤンみたいな歩き方でどっか行った。
任務は失敗した。
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